森はどのような健康効果があるのでしょうか
・ストレスの軽減
現在の複雑な社会生活は、多くの人が様々なストレスを抱えています。ストレスは免疫力を低下させ、生活習慣病にも大きな影響を与えることが分かっています。
したがって、ストレスを軽減することが健康の維持増進にとって大事なことになりますが、森にはこのストレスを軽減する様々な要素を持っていることが証明されてきました。
日本医科大学の李卿講師は、独立行政法人森林総合研究所と共同で実験を行なったところ、森林浴の後ストレスホルモンの尿中アドレナリン明らかに減少していました。これは、森から得られる刺激が五感を通して私たちの体に働きかけ、ストレスを軽減していることになります。
NPO法人森林セラピーソサエティでは、全国24箇所のセラピー基地で生理実験を行なっており、森林部と基地の所在する県の代表的な都市部で比較しており、その結果としてストレスホルモン、脈拍数、拡張期及び収縮期血圧は明らかに森林部で低下しており、副交感神経活動が活性化していることがわかりました。また、前頭前野活動も森林部で沈静化しているのが明らかになっています。(森林セラピー・森林セラピスト養成・検定テキスト)
このように、森はストレスの軽減に大きな役割を果たしています。
・免疫力の向上
免疫力は、私たちが病原体やがん細胞から身を守るために必要なシステムですが、ストレスなどで大きく低下することが分かっています。
森林浴を行うと、ストレスが軽減することで免疫力は回復しますが、前出の李講師の研究で植物から放出されるフィトンチッドが抗ガン作用を持つNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を高めることが確かめられており、より効果が高まることでガン予防や自然治癒力の向上などが期待されます。(森林セラピー検定・副読本 ヘルスケア編)(図は森林総合研究所プレスリリースより)」
・生活習慣病の改善
日常生活の生活習慣(食、運動、休養、嗜好など)は、糖尿病、高血圧、がん、脳卒中、心臓病などの多くの疾病の発症に深く関わっていることが明らかになっています。
森に行くと、ストレスが軽減されるのが明らかになっています。また、森を散策すれば適度な有酸素運動になり、体の機能改善にもなります。これらは、生活習慣病の様々な症状の治療効果や予防効果があることが証明されています。
(NPO法人森林セラピーソサエティ・HPより)